自覚症状のない歯周病

日本における抜歯理由の第1位は歯周病

歯周病とは、歯を支えている組織(主に歯槽骨)が破壊され、結果的に歯の喪失を招く疾患です。日本人の抜歯理由第一位は歯周病です。
歯周病は自覚症状がないまま重度に至り、気が付いた頃には手遅れになっていることが少なくありません。一度失った歯槽骨は、現在の医療技術では完全に再生させることは不可能です。
歯周病は、健康なときから予防をスタートすることが肝心です。また、初期~中等度に進行している場合には適切な歯周治療を受け、重度に至らないための予防行動が必要です。

歯周病

歯周病のリスクファクター

歯周病は様々なリスクファクターから進行します。
一番のリスクファクターは喫煙で進行しやすく、歯周病治療を行っても治りにくいと言われています。その他にも、遺伝やホルモンバランスの変化などが関わっています。

歯周病

まずは歯周病検査を受けることから始めよう

まずは自分がどのくらい歯周病が進行しているのかを正確に知ることが重要です。
そのためには、視診だけでなく、歯茎の精密検査、レントゲン写真などを受け、歯周ポケットの深さや歯茎の炎症の程度、歯を支える歯槽骨の吸収度合いなどを知る必要があります。

歯周病

歯周病が見つかったら?

歯周治療では主に歯石除去を行います。歯石には歯茎より上に付着している縁上歯石と歯周ポケット内に付着している縁下歯石があり、どちらも確実に除去する必要があります。歯石除去の回数は歯周病の進行度、歯石の付着状況によって変わります。
また、患者さん自身のプラークコントロールも歯周治療の一環です。ホームケアの指導も併せて行います。 ※中等度~重度の場合には、歯石除去に加えて歯周外科が必要となる場合があります。

歯周病

歯石が残ったままメインテナンスを行っても歯周病は進行してしまいます。
レントゲン上で歯石がついている場合は、歯石除去後もレントゲンを撮影し取り残しがないか確認していきます。

歯周病

歯周病は医院での定期的な専門メンテナンスが最重要

超音波チップを用いて歯周ポケット内のバイオフィルム(細菌の集合体)を除去します。歯周病菌は嫌気性菌であるため、酸素の届きにくい歯周ポケット内でバイオフィルムという形で増殖します。クリーニング後3~4ヶ月すると再びバイオフィルムが成熟し、歯周病を進める要因になってしまいます。こうした細菌を体の免疫力で抑えられる範疇にコントロールしておくことが、歯周病予防において最も重要です。歯周ポケット内のバイオフィルムはご自身の歯磨きでは除去することができません。毎日の丁寧な歯磨きやフロッシングに加え、3~6ヶ月に一度は必ずメインテナンスを受けましょう。

歯周病